ピコプレップはほとんど吸収されず、直接腸管内で作用します。また、ピコプレップの活性成分は国内既承認薬として広く使用されているため、日本人健康成人を対象とした第Ⅰ相試験(薬物動態検討試験)は実施しませんでした。
外国人健康成人16例にピコプレップ2包を6時間空けて分割投与した際のピコスルファート及びマグネシウムの体内動態を測定しました。
薬物動態パラメータ及び血漿中濃度推移は以下の通りでした。また、活性代謝物BHPM*の血漿中濃度は低く、16例中13例において検出限界以下でした。
*ピコスルファートは大腸内の細菌により、活性を有するbis(p-hydroxyphenyl)-2-pyridylmethane(BHPM)に代謝される
Cmax(ng/mL) | Tmax(hr)* | AUC0-∞(ng・hr/mL) | t1/2(hr) |
---|---|---|---|
3.2±2.6 | 8.00(2.0-10.0) | 40.0±32.5 | 7.4±3.2 |
mean±SD *中央値(最小 - 最大)
薬物動態パラメータ及び血清中濃度推移は以下の通りで、マグネシウム血清中濃度は基準値範囲内でした。
Cmax(mEq/mL) | Tmax(hr) | ||
---|---|---|---|
実測値 | 補正値* | 実測値 | 補正値* |
1.89±0.159 | 0.38±0.093 | 10.0(4.0-16.1) | 10.0(4.0-16.1) |
mean±SD 中央値(最小 - 最大)
国内臨床試験において、ピコプレップを検査の前日と当日に分けて2回投与した患者(分割投与群)213例、検査の前日に2回投与した患者(前日投与群)211例の血清中マグネシウムの濃度の推移は、それぞれ以下の通りでした。
血清中マグネシウム濃度(mmol/L) | |||
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スクリーニング時* | 大腸内視鏡検査当日 | 検査1~2日後 | |
ピコプレップ分割投与群(n=213) | 0.88±0.06 | 1.03±0.07 | 0.87±0.07 |
ピコプレップ前日投与群(n=211) | 0.89±0.07 | 1.03±0.08 | 0.86±0.07 |
mean±SD
*検査日の21日前~10日前
ピコスルファートは、消化管からほとんど吸収されません3)。
マグネシウムイオンは、消化管からほとんど吸収されません4)。
ラットにピコスルファートを経口投与した際のピコスルファート及び活性代謝物BHPMの全身的な分布は明確になっていませんが、全身曝露は低く、経口投与されたピコスルファートの多くは未変化体又はBHPMとして消化管内に分布します5) ~7)。
<参考>
一般的に、体内のマグネシウムイオンのうち、血清中には1%しか存在していません。体内のマグネシウムのほとんどは骨、筋肉、軟組織に蓄えられています4)。
ピコスルファートは経口投与後はほとんど吸収されることなく大腸に未変化体のまま到達し、その一部は大腸内の細菌により、活性代謝物であるBHPMに代謝されます8) ~10)。全身循環系に移行したBHPMの多くはグルクロン酸抱合又は硫酸抱合を受けます。
該当しません。
(外国人データ)1)
外国人健康成人16 例にピコプレップ2 包を6 時間空けて分割投与した際に、ピコスルファートは未変化体として投与量の約0.11%が尿中に排泄され、多くは糞中に排泄されました。
(ラット)6),7)
ラットにピコスルファート100mg/kgを単回経口投与した時の、糞中回収率はピコスルファート73.8%、BHPM1.8%でした。尿中からピコスルファートは検出されず、極微量のBHPMが検出されました。また、BHPMのグルクロン酸抱合体及び硫酸抱合体の胆汁排泄が認められました。
<参考>
食事等によって吸収されたマグネシウムは、内在性マグネシウムも含め、尿中排泄が100mg/日、糞中排泄が270mg/日といわれています。
ヒト肝ミクロソームにおける主要な薬物代謝酵素(CYP1A2、CYP2B6、CYP2C8、CYP2C9、CYP2C19、CYP2D6及びCYP3A4/5)に対し、ピコスルファートによる直接的、時間依存的又は代謝依存的な阻害は認められませんでした。 さらに、ヒト肝培養細胞において、ピコスルファートはCYP1A2、CYP2B6又はCYP3A4/5に対する酵素誘導活性を示しませんでした。
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