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傷が治っても痛い ~痛みは記憶に残る~ - 痛みとブラジキニン

「傷が治っても痛い」 一見矛盾したように見えるこの表現、一体どういうことなのでしょうか。病気、怪我、手術などによって強い痛みの刺激が長時間にわたって加わることで神経系には歪みが生じます。すると、傷は治ったのに痛みが残るという摩訶不思議な現象が起こります。なんと痛みが脊髄や脳に記憶されているのです。この記憶が常に大脳を刺激することで、痛みの刺激がなくても脳は痛みを感じるのです。
スポーツ選手に古傷が痛むと言う人が多いですが、これも痛みの記憶によるものです。神経系において、痛み系は発生学的に古く、原始的でかつ未分化です。そのため、何にでも変わり得る自由度(可塑性)が高いのです。

四肢切断後の幻視痛も痛みの記憶によるもの

四肢の切断後にみられる幻肢痛も、痛みの記憶がその発現に深く関わっていると考えられます。幻肢痛が起こらないようにするにはどうすればよいのか。それは痛みの記憶が残らないようにすればよいのです。つまり術前、術中の除痛、すなわち先取り鎮痛が効果的だといわれています。Bachらは、術前72時間に十分な除痛を行った患者の幻肢痛の発生を予防できた、としています。
(Bach M, et al.: Pain, Jun, 33(3), 297, 1988)

 

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