日本ケミファ株式会社

薬剤師向け情報集

地域包括ケアにおける薬局と多職種連携

第1回 ドイツの薬局から学ぶコミュニティファーマシーの姿

  • 有限会社ネオフィスト研究所
  • 取締役所長/薬剤師
  • 吉岡 ゆうこ

■ 住民の拠り所となるコミュニティファーマシーを目指して

  1. 医薬分業は、1241年に神聖ローマ皇帝フリードリッヒ2世が、医師と薬剤師の役割を分担したことから始まりました。
    その発祥の地がドイツです。

    私は2000年に有限会社ネオフィスト研究所を設立し、薬剤師の教育研修事業を手がけてきました。
    その一環で2003年に、日本の薬剤師と一緒にドイツへ薬学視察旅行に行き、その薬局の業態に興味を持って、「日本でもドイツのような薬局を目指せないだろうか」と考えるようになりました。
    そこで、視察旅行のメンバーと一緒に、ドイツで薬局を経営するアッセンハイマー慶子さんにも理事に加わってもらい、2013年11月に設立したのが「一般社団法人日本コミュニティファーマシー協会(JACP)」です。

  1. JACPでは、地域の人々が心身ともに健康で「暮し甲斐」ある地域社会創造の拠点となり、地域住民にとって拠り所となる「いきつけ薬局」としてのコミュニティファーマシー(CP)の創造を行うことを目指しています。
    その具体的なイメージが、日本とドイツの薬局の良い点を取り入れた「日独融合型薬局」です。
    これらの詳細は次号で触れたいと思います。

    その啓発やCPを担う薬剤師の育成、店舗づくりのために、年1回のドイツ視察旅行(写真)やFIP(国際薬剤師・薬学連合)国際会議への参加、カナダの大学教員による講演などを通じてグローバルな視点から日本の薬局を考えながら、年1回のCPフォーラムや、現場の薬剤師向けのCP研究会、国内薬局の視察ツアーなどの活動を展開しています。


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■健康サポート機能が標準で備わるドイツの薬局

  1. 今回は、まずドイツの薬局についてご紹介します。
    日本とドイツの薬局で最も大きく異なるのは、ドイツでは開設者は薬剤師のみで1店舗しか持てないこと(1薬局1薬剤師)です。
    同じヨーロッパでも、チェーン店が薬局の半分程度を占めているイギリスとはだいぶ様相が異なります。
    現在は法律が緩和され、ドイツでも原則3店舗、最多で4店舗まで持つことが認められましたが、どの地域に行っても1つとして同じ薬局はありません。
    それぞれの薬局が工夫していて、見どころがあるのです。

    今でいう日本の健康サポート薬局機能が、ドイツでは標準的に備えられているのも特徴です。
    どの薬局もOTC医薬品を扱うとともに、処方箋調剤を行っています。
    また、薬局内には検査室が設けられ、最初に視察した2003年当時から、薬剤師が指先に針を刺して血液数滴を採取し、血糖値とコレステロール値を簡易検査していたのも印象的でした。

    また薬局には、医薬品がヨーロッパやドイツの局方に適合しているか、品質検査をすることが日々義務付けられています。
    実験室の設置もそのためです。
    日本ではあまり考えられませんが、地理的に7カ国に接しているドイツでは、「薬を安全に使用するために、薬局のチェックは不可欠なことだ」という意識が強いです。
    ドイツではテクニシャン制度があり、薬剤師の監督のもと、テクニシャンがそうした試験検査を行っています。

■薬局がすべての医薬品を医療機関に供給

  1. 医薬品の供給において、ドイツの薬局は非常に重要な役割を担っています。

    ドイツでは、医薬品は必ず薬局を通して医療機関に販売されます。
    診療所で薬が必要であれば、薬局から購入するわけです。
    病院においては“病院薬局”が設けられ、そこから購入します。
    院内に病院薬局がなければ、他院の病院薬局から購入しなければなりません。

    ですから、卸会社の販売先も薬局のみに限られており、そのため、薬局に対して1日6回配送するなど手厚く対応しています。
    ドイツの薬局数は2万弱です。
    日本の場合は、病院が8,000強、診療所が約10万、薬局が6万弱に上るので、卸会社が1薬局に1日に何回も配送することは難しい環境にあります。
    加えてドイツでは、OTCや化粧品、それ以外の衛生材料なども1社にまとめて発注でき、卸会社と薬局のパイプが太いことも大きいと思います。

    こうした医薬品の供給体系は、ドイツの医薬分業の本質部分に関わっているようです。
    その分、薬局には地域の医薬品の供給を担う責任も生じ、夜間救急外来で処方された処方箋も院外の薬局で対応しなければなりません。
    そのため、地域で輪番制を取り、24時間365日、必ずどこかの薬局が営業する体制を敷いています。

    なお、ドイツでは基本的にかかりつけ医を決めて受診するよう、経済的なインセンティブが付けられています。
    ですから、日本のような医療機関の看板は見ません。
    薬局に関してはかかりつけ制度はありませんが、実質的にかかりつけ薬局を持っているという人が6割ほどに上ります。
    薬局は看板を掲げていますが、一目で分かるようにマークはドイツ全土で共通で、赤字で「A」と表示されています(写真)。
    Aは「Apothekeアポテーケ(薬局)」の頭文字です。

    ドイツの薬局は、日本とは根本的に制度が異なるところはありますが、「1薬局で処方箋調剤からOTC、化粧品などまですべて対応し、セルフサービスではなく薬剤師が相談販売する」という点は、お手本になるのではないかと考えています。
    次号では、こうした薬局の機能ついて、もう少し掘り下げてお話ししていきたいと思います。


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