日本ケミファ株式会社

薬剤師向け情報集

かかりつけ薬剤師が服薬指導にも活かせる コーチング・コミュニケーション

第6回 事例で考えるコーチング 実践編①

  • 著者:全国薬剤師・在宅療養支援連絡会 会長
  •     栃木県薬剤師会 会長
  •     株式会社メディカルグリーン 代表取締役社長
  •     大澤 光司

“分かっているけど服用できない”患者様への具体的なアプローチの仕方とは?

  1. 前回、「最もコーチングが必要なのは、服薬すべきだと分かっているけれど、何らかの事情や理由でできない患者様」と申しました。
    なぜ、きちんと服薬できないのでしょうか。
    どうすれば服薬できるようになるのでしょうか。
    コーチングでは、「答えはクライアント=患者様の中にある」と考え、患者様が自ら答えを発見できるよう働きかけていきます。
    これは、アドヒアランス、すなわち自らの意思で薬物療法に取り組むという姿勢につながります。
    では、具体的なアプローチの仕方を一緒に考えていきましょう。

事例1

  1. カウンターで、薬剤師と患者様がやりとりしています。
    患者様の__部の発言に対し、あなたなら、どう返答するか考えてみてください。

    薬剤師:お待たせしました。今回も同じ血圧のお薬が処方されていますが、毎回、きちんと飲まれていますか?
    患者実は、ときどき飲み忘れてしまうことがあるんです。

コーチング的関わりが必要な患者様とは? 服薬に関する4つの行動パターンから考察

  1. 例えば、次のような返答はどうでしょう。

    薬剤師:それはいけませんね。前にも言ったように、血圧の薬は毎日きちんと服用しなければ効果が上がりません。飲み忘れないようにしてくださいね。

    正論ではありますが、このような説教的な物言いでは、患者様は「分かってるよ」と、ふてくされた気分になってしまう可能性大です。患者様を前向きにするには、どう返答したらいいか、コーチングスキルを活用してみてください。以下に1例を挙げておきます。

    薬剤師:お待たせしました。今回も同じ血圧のお薬が処方されていますが、毎回、きちんと飲まれていますか?
    患者:実は、ときどき飲み忘れてしまうことがあるんです。
    薬剤師:ときどき飲み忘れてしまうことがあるのですね。でも、おおむね、きちんと飲めているわけですね。
    患者:ええ。きちんと飲まないと効果が出ないと聞いているので、飲み忘れないようにはしているんです。
    薬剤師:きちんと飲もうと意識しているけれど、ときどき、飲み忘れてしまうのですね? どんなとき、飲み忘れてしまうのでしょうか?
    患者:そうですねぇ。この薬は食後に飲むようになっていますが、仕事の関係で週に何回か早く出社しなければならず、そういうときは朝食抜きで出かけるものですから……。
    薬剤師:食事を抜いたとき、服薬も忘れてしまうのですね?
    患者:はい。でも、薬のことを思い出したとしても、空腹時に飲んでいいものか、分からないので……。
    薬剤師:そうだったんですか。処方箋には「朝食後」となっていますが、それはひとつの目安で、この薬の場合は食事を摂らずに飲んでも大丈夫なんですよ。朝食抜きで服用してよいなら、朝早い日も飲めそうですか?
    患者:う~ん、朝はあわただしいので、やはり飲み忘れるかも。
    薬剤師:昼食後であれば忘れずに飲めそうですか?ならば、医師に服用時間を変えてもいいか、確認してみますが。


    いかがですか?
    こちらの返答次第で患者様の反応は変わってくるものですし、新情報が得られることもあります。
    上記の例では患者様自身から、空腹時に服用してもいいのか分からないでいるという新情報が飛び出しました。
    こういうときこそ、薬剤師が本領を発揮すべき場面です。
    事例では、処方薬は必ずしも食後の服用でなくても構わないし、場合によっては服薬時間を昼食後や夕食後に変更オーダーできるものであったことから、薬剤師はそういう選択肢があることを伝え、患者様の判断を仰いでいます。

患者様自らが答えを発見できるよう4つのコーチングスキルで働きかけを

  1. 本事例でどのようなコーチングスキルが使われているか、まとめておきましょう。

    (1)傾聴:コーチングスキルの最優先事項は、言うまでもなく、傾聴です。
    「しっかり聞きますよ」という姿勢は患者様の信頼を得ていきますし、言葉の裏にあるものを発見できることもあります。

    (2)肯定的承認:患者様の言い分を承認する習慣をつけましょう。
    その際、「そうですか」といった相づちでもよいのですが、事例のように「(飲み忘れることはあるけれど)おおむね、きちんと飲めているわけですね」と肯定的に承認すれば、前向きな会話につながりやすくなります。

    (3)「なぜ?」ではなく「何か?」で質問:「なぜ遅刻したの?」「なぜできないの?」など、「なぜ?」という聞き方には非難のニュアンスがあります。
    「遅刻するなんて、何かあったの?」というふうに、「何か?」や「どんな?」を使えば、相手は言い訳の余地ができ、気持ちを開いてくれやすくなります。

    (4)薬学的な情報提供:一般的なやりとりをするだけでは、患者様はわざわざ薬剤師と話そうとは思いません。
    「相談してよかった」と思ってもらえるよう、専門職ならではの情報提供や提案に努めましょう。

    さて次回は、次の事例について考えていきます。
    あなたならどう応答するか、考えておいてくださいね。

事例2

  1. 糖尿病で、服薬のほかに食事と体重のコントロールが課せられている患者様との対応。

    薬剤師:今日の検査はいかがでしたか?データを見ると体重が横ばいのままのようですが。
    患者:食事にはすごく気をつけているんだけれど、体重は全然減らないねぇ。「水を飲んでも太る人」って言うけど、体質なんだね、きっと。

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