日本ケミファ株式会社

薬剤師向け情報集

薬剤師が本来の業務に取り組むと生じる変化とは(薬薬連携 ~薬剤師が変わると病院が変わる~)

 薬剤師が、薬というモノを準備するという「対物業務」への関与をしかるべき形で薄めることができて、本来担当すべき業務に取り組むための時間・気力・体力が生まれてきたときには、一体何が変わるのでしょうか。当院での変化も踏まえて、考えてみたいと思います。

 まず、一番最初に変わるのは、病棟での看護師の薬剤にかかる負担が減少することです。これは、病院によっては差があるかもしれませんが、薬剤部が薬を準備して病棟に運ぶところまでを担当しているところは少なくないと思います。それらの薬剤を、患者ごと、服用タイミングごとに仕分けし、適時適切に服用させていくという業務を病棟の看護師は担っています。もちろん、これは通常の看護師業務のようでもありますが、患者・服用時間ごとの仕分けのところまでを薬剤部でまかなうことは可能です。
 具体的には、配薬用に薬のカートやカレンダーを用いているケースも多いと思いますが、ここのセッティングまでを薬剤部の業務範囲とすれば、看護師の負担はかなり軽減でき、生み出された時間やマンパワーを看護業務の充実に充てることにより、病棟の看護レベルを向上させることができます。

 次に変わるのは、薬剤師が対人業務のために病棟に常駐できる体制が整うことにより、薬物治療の実施において、薬剤師の専門的な知見が生かされる場面が出てくることです。
 具体的には、病棟に備蓄しておくべき輸液や抗生剤、さらには、緊急カート内の薬剤などについて、患者のプロファイルに最適な薬剤の種類や個数を薬剤師の目で導き出せるようになってきます。このことによって、使いたいときに薬剤がないとか、使用期限が怪しいといった問題を事前に回避することができ、より安全で効率的・効果的な薬物治療を行える準備を整えられるようになります。

薬剤師業務変革の3ステップ——その実践手順(薬薬連携 ~薬剤師が変わると病院が変わる~)

 薬剤師が変わるためには、3つのステップを踏むことが重要です。今回は、それを皆さんと改めて考えてみたいと思います。

 最初のステップは、現在の業務フローの整理と見直しをすることです。十年一日の如し、ということわざがあります。昔の通りに変わらないという意味ですが、薬剤師のあり方や薬剤師を取り巻く環境はいろいろと変わってきている中で、薬剤師の業務が十年一日の如しでは困ります。薬学教育が6年制になり、薬剤師の業務は対物から対人へとシフトすることになりました。病院であれば、病棟での薬剤管理業務も増えたでしょうし、手術室や救急部に勤務するケースも出てきました。

 また、さまざまな新薬が開発され、外来化学療法など従来は想定されなかった医療の現場も出てきました。まさに、10年前とは状況も大きく変わっているのです。にもかかわらず、今まで通りの業務を今まで通りのやり方で取り組んでいては、どうしても無理が来てしまいます。時代も移り、状況も変わった今、業務をすべて書き出して整理してみると、散らかった部屋を片付けたときの「こんなに広かったんだ!」というような気持ちと同じような感覚が出てくるはずです。忙しい、時間がない、人がいない、というのは事実ではありますが、こういった面を見直してみるのは意外に効果があるものです。

 次のステップは、急速に進歩する機械化やICT化については、積極的に取り組むことです。学会の企業展示を見ても、昨今の調剤機器、とくにロボット技術の進歩は目覚ましいものがあります。また、ICTを活用した業務効率化の仕組みもいろいろと開発されています。もちろん、薬局と異なり、病院は薬剤部がコスト部門として捉えられていることも多く、なかなか積極的投資は難しいと思います。かく言う私が院長を務める病院でも、薬局の機械化やICT化をドラスティックに進めることはなかなかできませんが、多少時間はかかっても粘り強く進めていくことが重要です。

薬剤師業務を変えるため実行すべき3ステップ(薬薬連携 ~薬剤師が変わると病院が変わる~)

 「薬剤師が変わることの必要性は分かります。でも、なかなかうまくいかないのです…」といった声はよく耳にします。
しかも、この数年で向かうべき方向性や具体的手段も明らかになってきたように思います。
例えば薬薬連携では、患者さんが「住み慣れた地域で最期まで」という地域包括ケアシステムの中で、その人らしく過ごすことができるようになるためには、薬物治療が療養場所は変われどもシームレスに行われ続けることが必要です。
これを具現化するには、薬剤師が薬をお渡しするまでではなく、服用後までフォローし、患者さんの状態を薬学的見地からアセスメントし、必要に応じて医師にフィードバックすることで、薬物治療を点ではなく線で支え、それを薬剤師同士が連携することで地域の薬物治療を面で支える必要があります。
そのためには、薬剤師が服用後をフォローした際に、患者さんの状態を自ら知るツールとしてバイタルサインを理解し、活用する必要があります。
また、その状態を薬学的に読み解くには、薬理学・薬物動態学・製剤学を代表とする薬学的な専門知識を用いることになるため、必要に応じたリカレント教育が求められるようになります。
さらには、医師へのフィードバックにはコミュニケーションスキルだけでなく、昨今はSNS を含めたさまざまなコミュニケーションツールを使いこなすことも必須になってくるでしょう。
 これらの行動は、従来は出過ぎた真似のように捉えられたり、経営上はデメリットになったりすることもあり、なかなか進みづらかったのですが、服用後のフォローは改正医薬品医療機器等法にて薬剤師が取り組むべき業務であることが明記され、調剤報酬においても、限定的ではあるものの、今までなかった評価が行われるようになりました。
今後の時間経過や累次の調剤報酬改定によって、ますます環境は整っていくとは思いますが、それでも、イベントではなくシステムとしてこのような変化に対応していくためには、解決すべき重要なポイントがあります。
 それが、薬剤師が、いわば「対人業務」に業務の重心をシフトするための「時間・気力・体力」が確保できるのかということです。
薬剤師が変わるべきと感じている今の業務内容でも、人手は慢性的に不足しており、残業が常態化しているところは少なくありません。
そのような中では、いくら地域ニーズがあろうが、法律が変わろうが、報酬が付こうが、変化につながるアクションを実行に移すことはできません。
では、どうすれば良いのでしょうか。

薬薬連携は地域包括ケア実現の必要条件(薬薬連携 ~薬剤師が変わると病院が変わる~)

 「住み慣れた地域で最期まで」という地域包括ケアシステムを実現するために必要な条件の一つが薬薬連携だと私は考えています。
というのも、基本は在宅・介護施設で過ごして、状態に応じて医療機関で過ごすということが、高齢者においてはメインになってくるからです。
在宅・介護施設から医療機関へ入院する場合、医療機関から在宅・介護施設に退院・転所する場合のいずれも薬薬連携は重要ですが、特に、必要に応じた「服用後のフォロー」が義務付けられた今、その意味合いは今までよりも大きくなっていると思います。
 まず、在宅・介護施設から医療機関へ入院する場合です。
これから風邪やインフルエンザのシーズンに入りますが、在宅療養では呼吸器や尿路感染症のリスクは常にあります。
初期の症状であれば、訪問医による内服薬の処方や、場合によっては訪問看護を併用しての点滴の抗生剤や輸液の投与などを行って改善することもありますが、それだけでは病状の悪化を食い止められないときには、医療機関へ入院することになります。
また、長期にわたって安定して在宅療養されていた人が、ちょっとしたきっかけで転倒され頭部を打撲したり、大腿骨頸部を骨折したりした場合には、緊急入院、手術というコースに乗ることもあります。
さらに、真夏の脱水や原疾患の悪化によって循環状態が変動した場合などには、一時的な全身管理を入院によって行うことが必要になる場合もあります。
 その際に、入院側の医師としては、治療する疾患は感染症や外傷だったりするわけですが、該当患者さんの病歴を正確に把握することは容易ではありません。
もちろん診療情報提供書はあるとは思いますが、前医とて、紹介の上に担当していることが多いので、そこまで詳しく書いてあることはまれです。
基本的には、「○○病等で訪問診療している人が、肺炎になったので治療をお願いしたい」というような内容になり、服薬内容は「別紙の通り」という一言があるだけで、処方箋やお薬手帳に貼るシールのコピーが同封されていることが多くなります。
このような状況のもとでは、「なぜこの薬をのんでいるか確信を持てないが、とりあえず今までのんでいたから処方を継続する」という判断を下しかねません。
すると、抗凝固薬に気づかず(最近は一般名処方や新規作用機序の薬剤も多いですし!)処方を継続し、手術や処置を予定通りの日程で行うことができないということにもつながりかねません。

専門性を高めた薬薬連携の実施が可能にするもの(薬薬連携 ~薬剤師が変わると病院が変わる~)

 医師のタスクシフト、タスクシェアリングというのは、働き方改革の観点からも重要性が増していくと思います。
医師のタスクの中でも、患者さんを診察し、疾患名や病状を考えて診断し、その診断に基づく処方を決定して薬物治療を行うという行為は、非常に大きな割合を占めます。
薬剤師は薬に関わる唯一の国家資格者なわけですから、重要な部分を担えるはずですが、残念ながら病院においてはそうなっていません。
 その理由は、薬剤師が薬をお渡しするまでの仕事に専念しているからではないかと考えてきました。
現在も病棟に薬剤師が常駐しているところはたくさんあり、そこでチーム医療の一員として専門性を発揮して大活躍している薬剤師はいると思いますが、決して多くはありません。
入院患者さんの持参薬を鑑別、整理して、必要であれば院内採用薬との対照表を作るとか、入院中に新しく処方された薬についてベッドサイドに赴き、その内容や服用方法を説明したり、はたまた、退院が決まれば退院時処方を準備して説明と共にお渡ししたりといったことが、病棟薬剤師業務の大半を占めているケースは少なくないように思います。
 また、入院中に医師と連携すると言っても、医師が定期処方を行う前に、前回の処方をもとに代行入力を行って手間を少なくするぐらいです。これらのことであれば、機械やICT を使えばもっと早くできるでしょうし、薬剤師という専門職でなくても可能なはずです。

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