日本ケミファ株式会社

薬剤師向け情報集

薬薬連携 ~薬剤師が変わると病院が変わる~

第15回 専門性を高めた薬薬連携の実施が可能にするもの

  • 著者:ファルメディコ株式会社
  •     医療法人嘉健会 思温病院 理事長
  •     熊本大学薬学部・熊本大学大学院薬学教育部 臨床教授
  •     医師・医学博士
  •     狭間 研至
  1.  医師のタスクシフト、タスクシェアリングというのは、働き方改革の観点からも重要性が増していくと思います。
    医師のタスクの中でも、患者さんを診察し、疾患名や病状を考えて診断し、その診断に基づく処方を決定して薬物治療を行うという行為は、非常に大きな割合を占めます。
    薬剤師は薬に関わる唯一の国家資格者なわけですから、重要な部分を担えるはずですが、残念ながら病院においてはそうなっていません。
     その理由は、薬剤師が薬をお渡しするまでの仕事に専念しているからではないかと考えてきました。
    現在も病棟に薬剤師が常駐しているところはたくさんあり、そこでチーム医療の一員として専門性を発揮して大活躍している薬剤師はいると思いますが、決して多くはありません。
    入院患者さんの持参薬を鑑別、整理して、必要であれば院内採用薬との対照表を作るとか、入院中に新しく処方された薬についてベッドサイドに赴き、その内容や服用方法を説明したり、はたまた、退院が決まれば退院時処方を準備して説明と共にお渡ししたりといったことが、病棟薬剤師業務の大半を占めているケースは少なくないように思います。
     また、入院中に医師と連携すると言っても、医師が定期処方を行う前に、前回の処方をもとに代行入力を行って手間を少なくするぐらいです。これらのことであれば、機械やICT を使えばもっと早くできるでしょうし、薬剤師という専門職でなくても可能なはずです。

  1. ただ、大多数の一般的な中小病院は、新型コロナウイルス感染症の入院加療を行ったり、発熱外来を開設したりしたわけではありません。
    そういった病院の経営はどうなっているかというと、やはり、厳しくなっているのです。

    その理由はいくつかありますが、1つは外来患者さんの受診控えの傾向が明らかになったということです。
    外来診療部門そのものの採算性はそれほど高いものではありませんが、少なからずの売り上げへの貢献はありますし、また、病院の特徴によっても異なるとは思いますが、入院患者さんのルートになっているケースもあります。
    そういったところが縮小されるというのは、病院の運営に大きな影響を及ぼします。

    また、今はずいぶん事情は変わりましたが、最も感染拡大が懸念されたときには、全身麻酔を伴う手術はエアロゾルからの感染の懸念から、手術は緊急性が高いものだけに限定されることも多くなりました。
    さらに、感染拡大を避ける観点から、医療機関同士の転院もなかなか進みにくくなりました。
    こういう影響もあって、病床の稼働率が大きく下がってしまった病院が多くなりました。

  1. しかし、このような閉塞的な状況は、2020年9月から施行された改正医薬品医療機器等法の中で義務化された服用後のフォローまで行うとなると、大きく変わってきます。
    つまり、多くの患者さんが入院したときには、理論的にはその処方内容や服薬状況、効果や副作用の発現状況は、薬局の薬剤師から服用薬剤情報提供書などで引き継げるはずです。
    新たな入院患者さんを担当する医師にとって、とくに高齢者の場合には、その薬が処方された理由や、現在までの病状の経過を、本人や家族からの聞き取りや看護師のヒアリング内容だけから判定することは難しいのですが、薬剤師が引き継いでくれていれば、患者さんの状態把握にかける時間や労力は格段に少なくなります。
     また入院中には、医師が処方した薬が患者さんの状態にどんな影響を及ぼしているか、副作用は出ていないかなどを薬学的見地からチェックし、アセスメントした内容を医師にフィードバックすることで、単なる処方箋の代行入力というよりは、医師と薬剤師が協働して薬物治療を行うという体制が可能になります。
    これにより入院患者さんの処方内容の決定が、何もない場合には同じで、何らかの症状が出ていれば対症的治療としての処方が増えるというサイクルで行われるため、ポリファーマシーの状態に迷い込まずに済みます。
     さらに退院時には、入院前の投薬内容との変更点やその理由、注意すべきフォローアップの項目などを、退院後に担当する薬局薬剤師と同じ目線で連携することで、シームレスかつ安全な薬物治療体制の構築が可能になります。
     もちろん、医師も入院中の治療経過や検査結果等について概要を記録した診療情報提供書を発行しますが、引き継いだ開業医からすれば、薬剤師同士の経時的な流れのある引き継ぎ、すなわち薬品情報以外のものも共有していく薬薬連携があることで、より安全かつ効果的な地域医療連携が可能になります。
     これらの取り組みにより、地域医療連携とそれに伴う日常の診療サイクルにおける医師のタスクシフト、タスクシェアリングが進み、結果的に医師の負担軽減、働き方改革は実現に近づくでしょう。
    そして何より、薬剤師はその専門性にふさわしい医療の重要な部分を担うのだと思います。

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